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デッサンの練習さえすれば絵が上手くなる?ならやるしかないですよね。

パブロ・ピカソのデッサン力

皆様は、抽象的な絵を描く画家のデッサン力ってどのようなモノだと考えるでしょうか。

画家のパブロ・ピカソと言うと「泣く女」などの独創的な抽象画で有名ですが、そうではない普通の写実的な絵画も当然のように描いています。

パブロ・ピカソの作品を見ていくと、初期の頃は「泣く女」に見られるような抽象的な表現は見当たらず、実在するモチーフを忠実に写し取ったかのような精巧なデッサンが特徴的な写実画ばかりです。

絵画・芸術界の初期の頃は、リアリティを追及した写実的な描画表現が主流でした。パブロ・ピカソもそれに倣い、その卓越したデッサン力で写実的な絵画を描いていました。しかし、パブロ・ピカソは写実的な表現のみに留まるのを良しとせず、独自の表現方法を模索し始めます。

そして完成されたのがキュビズムと言う表現。つまり、実在するモチーフそのままの絵を描くのではなく自分の思ったように描く、と言う考え方。それまでになかったキュビズムと言う新しい表現スタイルを生み出したパブロ・ピカソの発想力や今までのデッサンにより培われた観察力、センスが評価されています。

…正直キュビズムは今までの写実的な表現一辺倒だった絵画の概念を打ち砕くような表現技法です。それが認められ、受け入れられたのは、パブロ・ピカソが写実的な絵画が描ける優れたデッサン力を持つ一流の画家だったからに違いありません。

キュビズムとはちょっと違うと思いますが、現代の漫画やイラストは、抽象的なデフォルメの分類になるんだと思いますが、確かにデッサンが完璧でなくても、描いている方は多いですし、デッサンが出来ていなくても何とか描けてしまいます。

それでもデッサン力に裏付けされた絵の説得力と言うモノはどんな表現を採用した絵であっても変わりないと思います。絵を描く事の本質にはやはりデッサン力を持つ事は欠かせないのではないでしょうか。